まったく…
中学生じゃないっつうの!
可愛すぎて笑えないよ…光ちゃんたら























告白











BuBu…BuBu…

「きゃっ…」

未来はテーブルの上で激しく震えだした携帯に小さな声を上げた。

時計を見るともう午前0時を回っている。

今ごろ…誰?



“光一”



表示された名前を見て 慌てて画面を開く。

「まったくもぉ…」

相変わらず件名のないメールに少し呆れながらも それが光一らしいと思えて何となく嬉しかった。

なのに次の瞬間、思わず口をついて出た言葉

「はぁ?」

あ〜もぅ!前言撤回!光ちゃんらしいな〜なんて思った私がバカでした。



“ふぅ〜ん。…で?”



「送信…っと」

ピッ♪

まったく!一体何なのよぉ〜

「“好きな女ができた” …は?それが? まったく…なんで私にそんなメール送ってくるかなぁ〜」

未来はブツブツと独り言を言いながら冷蔵庫からビールを取り出した。



BuBu…BuBu…

またしても携帯が呼びつける。

「はい、はい。」

光一からの返信を知らせて唸り続ける携帯を なだめるように言ってから再び開く。



“そんだけかっ?!”

“え〜?じゃ何? もしかして私に相談に乗れと?”

“アホか”

“アホで悪ぅございましたね(ーー;) ”

“わからん?”

“は?意味不明”

“だからそのまんまや”

“好きな女ができた?”

“そうや”

“ますます意味不明”

“好きな女出来たらあかんか?”

“別に…いいんじゃない?”



なんだ…光ちゃんらしくもないけど、結局相談に乗って欲しいってこと?

なんとなく附に落ちないが、未来は少しだけ真面目に話しを聞くことにした。



“で?どうしたいの?告白する?”

“そのつもりや”

“そっか〜。…私に言うってことは、もしかして私も知ってる人?”

“まぁな”

“聞いていい?”

“イニシャルM.A”



え?私と同じ?

ちょっぴり焦って思わず持っていたビールをグビグビと煽る。



“私と同じ…だね? 一般の人?”

“まあな”

“で?どんな風に告白するつもり?”

“メール”

“直接言えば?”

“メールじゃあかんか?”

“まあ、メールにもよるけど…”

“例えば『好きな女が出来た』とか…あかんか?”



ブッ!!ゲホゲホ…

飲みかけのビールを噴き出して、思いっきりむせた。

「え? え? えぇぇぇ〜っ???」

咳込みながら大声を上げた未来は、夜中だということを思い出して慌てで口元を押さえると、次の瞬間小さくほくそえんだ。

ふふん…



“そんなのダメに決まってるじゃん。さっきの私と同じ反応されるよ”

“やっぱあかんか”

“あ…もしかして私で試した?ヤな感じ〜(ーー;)”



酔いも手伝って、光一に対してどんどん手厳しくなっていく。



“悪かったな”

“『愛してる!愛してる!好きだ!好きだ!好きだ!』って送れば?”

“アホ!いきなりそんなん引かれるに決まっとんやろ!”

“え〜?そうかな?私ならかなり嬉しいけど?”

“…マジで?”

“うん♪”



さ〜て、どうくるかな? ふふっ…   



“愛してる!愛してる!好きだ!好きだ!好きだ〜!!”



きゃはは!光ちゃんったら、可愛いんだから〜。

「これは保存!保存!っと」

ピッ♪

あははっ!もうちょっとからかっちゃおっと。




“キモい〜!やっぱこれはパス!”

“おまえ…ええかげんにせえよ”

“キャハハ、ゴメン!ゴメン! また私で試したりするからだよ〜”

“もうええわ”



あぶない、あぶない!これ以上からかうと、光ちゃんほんとに怒っちゃう…



“うそ、うそ。ごめんね。…あのね、どんな言葉だっていいんだよ。直接聞きたいんだよ”

“ふん…疲れた!もう寝る!”



なんなのよ〜。夜中に散々付き合わせといて…まったくぅ〜。

「まっ最後にとっときのを送っときますか♪」



“女の子はね、いつだって待ってるんだから…”

ピッ♪












あとがき

さぁ〜もうお分かりですね? 先日の「どんなもんヤ」がヒントになったお話です(笑)
光ちゃんの告白方法があまりに稚拙で可愛かったもんだから、ついついこんな風になっちゃいました。
未来からの最後のメールを受け取った光ちゃん…もちろん、その足で未来の部屋に向かいましたとさ。
めでたし!めでたし!

このお話は、またのちほど、今度は光ちゃん側の目線でも書いてみようと思ってます。
いつになるやら…ですが(^_^;)、楽しみにお待ちいただけたらと思います。
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